「屋根塗装は意味がない」について塗装屋さんが解説!
2024年03月19日(火)
宇都宮市、鶴田町、鹿沼市、壬生町、下野市、上三川町、日光市にお住いの皆様、こんにちは(ˊ˘ˋ* )♡
創業96年のKPCグループのプロタイムズ宇都宮鶴田店の高橋です(*ˊᗜˋ*)
目次
屋根塗装は意味がない?
屋根塗装を検討の際にネットで情報を集めたり調べたりする方も多いかと思います。
その中で「屋根塗装は意味がないですよ」という情報を見かけた方はいらっしゃいますか?昨今はこのような情報もあるらしく、このような否定的な意見は塗装屋に勤める身としてはなかなか辛いものがあります…。
ちなみにこのブログは「意味がない」という情報を真っ向から否定するわけでも、塗装を猛プッシュするわけでもありません。屋根塗装に意味があるのかどうかは時と場合によって変わるので、皆さまにその判断の指標にしてもらうべく書いています。
なるべく分かりやすくするために、屋根塗装が必要かどうかを判断するフローチャートと、そのフローチャートの結果についての解説を設けているので、ぜひ両方とも見ていただけますと幸いです。
塗装屋さん的には…
まず、「屋根塗装は意味がない」の「意味がない」という言葉についてですが、ここには2つのニュアンスがあると考えています。
一つ目は「塗装の必要性がない」ということ。皆さんが思い浮かべているのはこちらだと思います。二つ目は「塗装ではどうにもならない・太刀打ち出来ない」ということ。インフルエンザの人が市販の風邪薬を飲んでも症状は改善しませんよね?同じように、屋根がひどく傷んでいると塗装では対処しきれなくなってしまいます。
上記のどちらかの状態に当てはまるのであればまさしく「屋根塗装は意味がない」ですし、私たち塗装屋も塗装によるメンテナンスをオススメしません。
反対に、塗装の必要性がある状態において比較的軽い劣化症状であれば塗装によるメンテナンスをオススメします。先ほどの症状でいえば、くしゃみ・せきが出始めた段階で薬を飲むようなイメージです。
つまり、塗装屋さんとしては
メンテナンスの必要がなければ塗装は勧めない
ひどく傷んでいる場合は塗装以外のメンテナンスを勧める
塗装でメンテナンス出来るものに対しては塗装を勧める
と、屋根の状態に合わせて最適な提案をしています。
上記の内容を踏まえて作ったのがこちらのフローチャートです。ご自身のお家の屋根と照らし合わせてみてください。
解説もご用意しましたのでこちらもぜひご覧ください。
屋根塗装の必要が無い時
【解説1】屋根材が瓦
屋根が陶器瓦やいぶし瓦といった瓦の場合は塗装は必要ありません。
ただし、欠損した瓦の部分交換や、棟の漆喰補修など、瓦には瓦のメンテナンスがあります。「塗装の必要がない=メンテナンスフリー」とは限りませんのでご注意ください。
↑白い所が漆喰です
屋根の状態が気になる方は、建てた工務店やハウスメーカーの他、リフォーム業者や板金屋さんなどにご相談ください。また、塗装を専門としている会社でも瓦屋根のメンテナンスが出来るところも多いですよ◎
【解説1】築年数が10年未満
一般的に住宅は築10年を境に傷みはじめたり劣化症状が目立ってくると言われています。そのため、建てて数年のお家であればメンテナンスはまだ必要ないと考えられます。
しかし、海や林の近く・幹線道路沿いといった立地条件下ではもっと早い段階で傷んだり汚れが目立つこともあります。
また、外壁の話にはなりますが、クリヤー塗装をお考えの方は築10年前後での塗装工事をオススメします。
【解説2】屋根がひどく傷んでいる
屋根の色あせや防水機能の低下といった劣化に対しては塗装は有効なメンテナンスですが、
錆がひどく穴が開いてしまっている
屋根材の下の防水シートや野地板まで劣化している
上記のような傷みが見られる場合は塗装ではどうにも出来ません。
それはなぜかというと、
穴が開くほど傷んでいるということは屋根自体が脆くなっているので、その表面のみを保護しても耐久性が上がるわけではないからです。
また、防水シートや野地板まで傷んでいる場合も、屋根材の表面のみを保護したところでその下の防水シートなどがそのままではさらに劣化してしまいます。
このような場合には、塗装ではなくカバー工法や葺き替え工事を行った方が適切であると言えます。
防水シートや野地板が特に傷んでいる場合には、既存の屋根材を撤去し下地の交換も出来る葺き替え工事の方が安心です。
【解説2】ノンアスベストのスレート(コロニアル)
2000年代前半に建てられたお家で且つ屋根がスレート(コロニアル)の場合は「ノンアスベスト」の可能性があります。このような屋根も塗装でのメンテナンスは出来ませんので、カバーや葺き替えをオススメします。
なぜ塗装が出来ないのかというと、屋根材自体が非常に脆いので塗ってもポロっと欠けてしまう可能性があるからです。どれくらい脆いのかというと、人が屋根に上がっただけでバキバキと割れるほどです。
↑ノンアスベストの屋根です。どちらもドローンを用いて撮影しています。
スレート(コロニアル)は厚みがないのでカバー工法による施工も可能です。下地まで傷んでないようでしたらこちらもご検討ください。
屋根の調査は危険が伴いますので、プロによる診断をオススメします。
軽度の劣化なら塗装がオススメ
以上の点を踏まえると、
瓦以外で、築10年以上が経っていて、劣化が少し見られるような屋根であれば塗装によるメンテナンスがオススメ
というのが私たち塗装屋さんの結論です。
塗装出来る屋根材
「瓦以外の屋根材=塗装出来る屋根材」となるわけですが、どのようなものがあるのかというと
スレート(コロニアル)
セメント瓦
金属屋根(ガルバリウム鋼板など)
モニエル瓦
アスファルトシングル
などが挙げられます。ご自宅の屋根材がどれに該当するのか分からないという方は、一度プロに診てもらうことをお勧めします。
軽度の劣化とは?
塗装の目安となる劣化症状についてお伝えしていきます。
何度かお話ししていますが、屋根での作業には危険が伴います。ですので、ここでは目視で分かるような劣化をご紹介したいと思います。
色あせ
屋根を見てなんとなく褪せてきた・白っぽくなってきたと感じたら、それは屋根が劣化し始めているサインです。
緊急で対処するほどの劣化ではありませんが、このタイミングで塗装をしておくと最小限のメンテナンス費用に抑えられることが多いです◎
苔の発生
苔の発生は屋根の防水機能が低下している合図です。
屋根の小口の他、北面に広く発生している場合が多いです。
防水機能機能が低下すると屋根材が水を含みやすくなり、反りの原因になります。反った屋根材は元には戻らないので、防水機能が低下している場合には早めの対処が必要になります。
錆の発生
錆は金属屋根の他に、スレートやアスファルトシングルの棟板金などにも発生します。
穴が開くほど進行していなければ塗装によるメンテナンスも出来ます。しかし、塗装前に【ケレン】という錆を削り除去する作業が必要で、錆の範囲が広いほど時間も手間暇もかかります。そうすると職人の人工(手間賃)もかかり結果的に費用が高くなってしまうので、なるべく発生初期の段階でメンテナンスすることをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「屋根塗装は意味がない」という情報ですが、一概にそうとは言えないというのが私たち塗装屋の結論です。塗装が必要な状態なのか、塗装では対処できない状態なのかを見極めてメンテナンス方法を選ぶようにしましょう。
もし、ご自宅の屋根の最適なメンテナンス方法が分からないという方はぜひ、プロタイムズ宇都宮鶴田店へお問い合わせくださいませ。外装劣化診断士の資格を持ったプロが適切なメンテナンス方法をご提案致します。
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